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外壁塗装の塗料はどうやってできる?原料から完成まで

塗装工事の豆知識

更新日 2026.08.28(Fri)

外壁塗装の塗料はどうやってできる?

原料から完成までを工場見学!塗料の原料図鑑付き

「外壁塗装で使っている塗料って、何からできているの?」

「シリコン塗料って、シリコンそのものを塗っているの?」

「フッ素塗料の“フッ素”って、どんな原料?」

外壁塗装を検討していると、「シリコン」「フッ素」「無機」「遮熱」など、塗料についてさまざまな言葉を目にします。

しかし、実際に塗料がどのように作られているのかまで知っている方は、そう多くありません。

実は、私たちが外壁塗装で使用している塗料は、最初から「塗料」として存在しているわけではありません。

樹脂、顔料、水、溶剤、添加剤など、さまざまな原料を組み合わせ、混ぜ、分散させ、色を調整し、品質検査を行って、ようやく1缶の塗料になります。

今回は、そんな外壁塗装の「裏側」を大公開!

まるで塗料工場を見学しているように、

原料の準備 → 配合 → 分散 → 調色 → 品質検査 → 充填 → 出荷

まで、塗料ができる工程を詳しく見ていきましょう。

さらに後半では、普段なかなか見ることのできない「塗料の原料図鑑」もご紹介します。


目次

  1. 外壁塗装の塗料は何からできている?
  2. 塗料の主役「樹脂」
  3. 色を作る「顔料」
  4. 水性塗料と溶剤系塗料
  5. 塗料を支える「添加剤」
  6. 【工場見学①】原料を準備
  7. 【工場見学②】巨大タンクで前混合
  8. 【工場見学③】顔料を細かく分散
  9. 【工場見学④】調合・調整
  10. 【工場見学⑤】色を合わせる
  11. 【工場見学⑥】品質検査
  12. 【工場見学⑦】ろ過・缶への充填
  13. 【工場見学⑧】出荷されて塗装現場へ
  14. 塗料の原料図鑑
  15. 高性能な塗料だけでは外壁は守れない?
  16. まとめ

1.外壁塗装の塗料は何からできている?

まずは、塗料を構成する基本的な材料から見ていきましょう。

一般的な塗料には、主に次のような成分が使われています。

  • 樹脂(バインダー)
  • 顔料
  • 水または有機溶剤
  • 添加剤
  • 充填剤・体質顔料など

もちろん、すべての塗料が同じ材料・同じ配合というわけではありません。

水性塗料、溶剤系塗料、シリコン系、フッ素系、無機系など、製品によって配合や設計は大きく異なります。

では、それぞれ何のために入っているのでしょうか?

樹脂=塗膜の骨格

樹脂は、塗料が乾燥した後にできる「塗膜」の重要な構成成分です。

外壁塗装で聞く、

アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素

などは、主に塗膜を形成する樹脂の種類に関係しています。

顔料=色や隠ぺい性を作る

白、黒、赤、黄色などの色を作るのが顔料です。

例えば白色顔料として代表的なのが「酸化チタン」です。

水・溶剤=塗れる状態にする

樹脂やその他の材料を、施工できる状態にするための媒体として水や有機溶剤が使われます。

添加剤=塗料を調整する

分散剤、消泡剤、増粘剤、防腐剤など、製品の性能や保存性、作業性などを調整する材料です。

つまり塗料は、

「色のついた液体」ではなく、さまざまな材料を高度に組み合わせた工業製品

なのです。


2.塗料の主役「樹脂」

外壁塗装の塗料を理解するうえで欠かせないのが「樹脂」です。

樹脂は塗料が乾燥した後、外壁を覆う塗膜を形成する重要な材料。

外壁が紫外線や雨、風にさらされても塗膜が機能するよう、製品ごとに樹脂の設計がされています。

アクリル樹脂

アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルなどをもとにした樹脂です。

塗料だけでなく、接着剤やプラスチックなど、さまざまな分野で利用されています。

ウレタン樹脂

ウレタン系塗料では、ポリオール成分とイソシアネート成分などを利用して塗膜を形成するタイプがあります。

柔軟性や密着性などが特徴です。

シリコン系樹脂

外壁塗装でおなじみの「シリコン塗料」。

シリコーン成分を含む樹脂を利用した塗料で、耐候性などのバランスから住宅塗装でも広く利用されています。

フッ素系樹脂

フッ素樹脂を利用した塗料は、優れた耐候性などを特徴としています。

外壁は毎日、紫外線や雨風にさらされます。

そのため、塗料を選ぶ際には「どのくらいの耐候性を求めるのか」も重要なポイントになります。

無機系塗料

最近よく耳にする「無機塗料」。

これは「塗料のすべてが無機物」という意味ではありません。

無機成分と有機樹脂などを組み合わせるなど、製品ごとにさまざまな設計があります。

「シリコンだから全部同じ」「フッ素だから全部同じ」ということではありません。

同じ樹脂系統でも、樹脂の設計、顔料、添加剤などによって塗料の性能は変わります。


3.色を作る「顔料」

次は、塗料の見た目を決める重要な原料「顔料」です。

顔料には大きく分けて、

無機顔料
有機顔料

などがあります。

代表的なものを見てみましょう。

酸化チタン

化学式は、

TiO₂

です。

白色顔料として非常に重要な材料で、塗料の白さや隠ぺい性などに関係します。

酸化チタン自体も、製造工程を経て作られています。

代表的な製法として「硫酸法」「塩素法」があり、原料鉱石などから精製・処理して酸化チタンが作られます。

つまり、

鉱石などの原料 → 酸化チタン → 塗料工場 → 外壁塗料

という長い工程を経て、私たちの外壁に届いているのです。

カーボンブラック

黒色顔料として知られる材料です。

非常に細かな炭素系粒子で、黒色系の塗料などに使用されます。

酸化鉄顔料

酸化鉄を利用した顔料には、

  • 酸化鉄赤
  • 酸化鉄黄
  • 酸化鉄黒

などがあります。

外壁塗装で使われる茶系、赤系、黄色系、グレー系などの色にも関係します。


4.水性塗料と溶剤系塗料

外壁塗装では、

「水性塗料」
「溶剤系塗料」

という言葉もよく登場します。

水性塗料

水を主な媒体として利用する塗料です。

「水性だから水だけでできている」という意味ではありません。

樹脂、顔料、添加剤などが水の中で安定して存在できるように設計されています。

溶剤系塗料

有機溶剤を使用して樹脂などを溶解・分散させるタイプです。

代表的な有機溶剤には、

  • キシレン
  • トルエン
  • 酢酸エチル
  • 酢酸ブチル
  • ミネラルスピリット

などがあります。

ただし、使用される溶剤は製品によって異なります。

「水性=性能が低い」「溶剤=必ず高性能」という単純な話ではありません。

現在は水性塗料でも、住宅の外壁塗装に使用される高性能な製品が数多くあります。


5.塗料を支える「添加剤」

塗料には、主役の樹脂や顔料だけでなく、少量ながら重要な役割を果たす「添加剤」も使われます。

例えば、

分散剤

顔料を均一に分散させ、再び集まりにくくするために使用されます。

顔料の分散状態が悪いと、沈降や色分かれなどにつながる場合があります。

消泡剤

製造時や攪拌時に発生する泡を抑えるための材料です。

増粘剤

塗料の粘度を調整します。

塗料がシャバシャバすぎても、硬すぎても施工しにくいため、適切な状態に調整します。

防腐剤・防かび剤

特に水性塗料などでは、保存中の微生物による影響を抑える目的で使用される場合があります。

紫外線安定剤など

塗膜の劣化に関係する紫外線などの影響を考慮し、製品設計に応じて使用されることがあります。

このように添加剤は「少量だから重要ではない」のではなく、塗料を製品として成立させるための大切な材料なのです。


6.【工場見学①】原料を準備!

ここからは、いよいよ塗料工場へ!

まずは原料の準備です。

塗料は製品ごとに配合設計が決まっています。

樹脂、顔料、溶剤、水、添加剤などを、決められた量・順序で準備します。

ここで間違いが起きないよう、原料の種類や数量などを管理しながら製造がスタートします。

7.【工場見学②】巨大タンクで前混合!

塗料工場と聞いて、最初に思い浮かべるのが大きなタンクではないでしょうか。

工場には、巨大な攪拌タンクや混合設備があります。

ここで原料を混ぜ、次の工程に進むための「ミルベース」と呼ばれる状態を作ります。

一般的な製造工程では、

前混合 → 顔料分散 → 調合 → 調色 → ろ過 → 充填

という流れが基本となります。

ただし、すべての塗料がまったく同じ工程というわけではありません。

製品の種類や配合によって工程は異なります。

巨大なタンクを真上から見た断面図にして、

「樹脂」
「顔料」
「水・溶剤」
「添加剤」

が投入され、攪拌されている様子を描くと、一般のお客様にも非常に分かりやすくなります。

配水池のイラスト


8.【工場見学③】顔料を細かく分散!

ここは塗料製造の中でも非常に重要な工程です。

顔料は粉体として扱われますが、そのまま液体に入れて混ぜるだけでは、良好な塗料にはなりません。

顔料は粒子同士が凝集しているため、機械的な力などを利用して細かく分散させます。

この工程を、

顔料分散

と呼びます。

分散では、

ぬれ → 解砕 → 分散安定化

という考え方が重要になります。

設備としては、

  • ディスパー
  • ビーズミル
  • サンドミル
  • ボールミル

など、製品や工程に応じた設備が使われます。

顔料を適切に分散させることは、塗料の色、光沢、隠ぺい性などにも関係します。


9.【工場見学④】調合・調整!

顔料の分散ができたら、残りの樹脂や溶剤、水、添加剤などを加えて、製品としての状態に調整します。

ここでは、

「粘度は適切か?」
「固形分は規定通りか?」
「原料の入れ忘れはないか?」

などを確認します。

つまり、

「混ぜれば完成」ではありません。

製品として安定した性能を出せるように、細かく調整されていきます。


10.【工場見学⑤】色を合わせる!

外壁塗装で重要なのが「色」です。

白、ベージュ、グレー、ブラウン、ブルーなど、住宅の外壁には非常に多くの色があります。

塗料工場では、原色を組み合わせたり、顔料を調整したりして、目的の色に合わせます。

そして、

「狙った色になっているか?」

を確認します。

また、光沢や色の見え方は、塗料の状態だけでなく、塗膜の厚さ、乾燥状態、下地などによっても変化します。

だからこそ、塗料の色管理は非常に重要なのです。


11.【工場見学⑥】品質検査!

完成した塗料は、そのまま缶に詰めるわけではありません。

製品として規定された品質になっているか確認します。

例えば、

  • 粘度
  • 密度
  • 外観
  • 分散状態
  • 乾燥性
  • 塗膜の状態

など、製品ごとに必要な検査を行います。

必要に応じて実際に塗板を作り、乾燥後の塗膜を確認することもあります。

「ちゃんと作れたかな?」

ではなく、

「決められた品質を満たしているか?」

を確認してから出荷されるのです。

研究・科学実験のイラスト(男性)


12.【工場見学⑦】ろ過して缶へ充填!

品質検査をクリアした塗料は、最終工程へ進みます。

まず、必要に応じてろ過を行います。

塗料の製造工程では、フィルターなどを使って粗粒や異物を取り除きます。

その後、決められた容量になるように缶へ充填。

機械によって自動的に充填される設備もあり、次々と塗料缶が完成していきます。

 


13.【工場見学⑧】いよいよ出荷!

缶詰めされた塗料は、ラベルや容量などを確認して梱包され、出荷されます。

そして、

塗料メーカー

販売店・物流

施工会社

塗装職人

という流れを経て、住宅の外壁へとやってきます。

普段、塗装現場で見る「塗料缶」。

実はそこにたどり着くまでに、こんなに多くの工程があるのです。

トラックのイラスト(車)


14.塗料の原料図鑑

ここからは、もう一歩踏み込んで「塗料の原料」を見てみましょう!

🔬 原料図鑑① 酸化チタン

化学式:TiO₂

主に白色顔料として使用される代表的な材料です。

白色塗料の色や隠ぺい性などに関係します。

酸化チタンそのものも、鉱石などを原料として製造されています。

つまり、外壁に塗られる白い塗料の中には、塗料工場だけでなく、そのさらに上流にある「原料を作る工場」の技術も詰まっているのです。


🔬 原料図鑑② カーボンブラック

黒色顔料として使用される代表的な材料です。

非常に細かな炭素系粒子からできています。

黒色や濃いグレー系の色を作る際などに利用されます。


🔬 原料図鑑③ 酸化鉄

代表的な無機顔料です。

酸化鉄赤、酸化鉄黄、酸化鉄黒などがあり、赤、黄色、茶色、黒などの色を作るために利用されます。

住宅の外壁でよく見るアースカラーにも関係する材料です。


🔬 原料図鑑④ シリコン系樹脂

外壁塗装で人気の「シリコン塗料」に関係する重要な材料です。

シリコン系の樹脂を利用して塗膜を形成し、耐候性などの性能を持たせるよう設計されています。

ただし「シリコン」という名前だけで性能を判断するのではなく、製品の仕様や樹脂設計などを確認することが大切です。


🔬 原料図鑑⑤ フッ素系樹脂

フッ素系塗料に使われる樹脂です。

外壁は長期間にわたって紫外線や雨風にさらされるため、高い耐候性を求める場合にフッ素系塗料が選択肢となります。


🔬 原料図鑑⑥ 水

水性塗料では、水が重要な媒体として使われます。

ただし、

「水性=水だけ」

ではありません。

樹脂、顔料、添加剤などが水中で安定して存在するように、さまざまな技術が使われています。


🔬 原料図鑑⑦ キシレン・トルエンなどの有機溶剤

溶剤系塗料では、樹脂などを扱いやすい状態にするため、有機溶剤が使われる場合があります。

代表例として、

キシレン
トルエン

などがあります。

ただし、すべての溶剤系塗料に同じ溶剤が使われるわけではありません。

製品ごとに適切な溶剤が選ばれています。


🔬 原料図鑑⑧ 分散剤

顔料を均一に分散させ、その状態を安定させるために使われます。

顔料は非常に細かな粒子ですが、粒子同士が集まりやすい性質があります。

そのため、

濡らす → ほぐす → 再び集まらないようにする

という工程を助ける分散剤が重要になります。


🔬 原料図鑑⑨ 消泡剤

塗料を製造するときには、攪拌によって泡が発生することがあります。

消泡剤は、その泡を抑えるために使用されます。

一見すると地味な材料ですが、塗料を安定して製造するためには重要な存在です。


🔬 原料図鑑⑩ 増粘剤

塗料の粘度を調整するための材料です。

塗料が適切な粘度になっていないと、

「垂れやすい」
「塗りにくい」
「均一に伸びない」

など、施工性に影響する可能性があります。

塗料を「ちょうどいい塗りやすさ」に調整するための重要な材料です。


15.高性能な塗料だけでは外壁は守れない?

ここまで読んでいただくと、

「良い塗料を使えば、外壁は安心!」

と思われるかもしれません。

もちろん塗料選びは重要です。

しかし、外壁塗装ではもう一つ大切なものがあります。

それが、

「施工」です。

どれだけ高性能な塗料でも、外壁の状態に合っていない塗料を選んだり、下地処理が不十分だったり、必要な工程を省いたりすると、本来の性能を十分に発揮できない可能性があります。

例えば、

高圧洗浄

外壁の汚れやチョーキング、藻、カビなどを洗い流します。

下地補修

ひび割れや欠損などを補修します。

シーリング工事

サイディング外壁などでは、目地の状態を確認し、必要に応じて施工します。

下塗り

外壁材や既存塗膜の状態に合わせて、シーラー、プライマー、フィラーなどを選びます。

そして、

下塗り

中塗り

上塗り

と、塗装工程を進めていきます。

塗料メーカーが研究・開発した性能を現場でしっかり発揮させるためには、適切な施工が欠かせません。


16.まとめ|1缶の塗料には、たくさんの技術が詰まっている!

今回は、外壁塗装の塗料ができるまでを「工場見学」のようにご紹介しました。

塗料は、

樹脂
顔料
水・溶剤
添加剤
充填剤など

さまざまな原料から作られています。

そして、

原料準備

前混合

顔料分散

調合

調色

品質検査

ろ過

充填

出荷

という工程を経て、私たちが使う「1缶の塗料」になります。

さらに、その原料一つを見ても、

酸化チタン
カーボンブラック
酸化鉄
シリコン系樹脂
フッ素系樹脂
分散剤
消泡剤
増粘剤

など、さまざまな材料が使われています。

つまり、外壁塗装で何気なく使っている塗料1缶にも、

原料メーカーの技術

塗料メーカーの研究開発

製造技術

品質管理

物流

そして塗装職人の施工技術

が詰まっているのです。

外壁塗装では「どの塗料を使うか」ももちろん大切。

でも、それと同じくらい、

「その塗料を、どんな外壁に、どのように施工するのか」

が重要です。

塗り達では、お住まいの外壁材や劣化状況を確認したうえで、下地処理から塗料選び、施工方法までトータルでご提案しています。

「シリコンとフッ素は何が違うの?」

「うちの家にはどんな塗料が合う?」

「外壁の状態が悪いけど塗装できる?」

など、外壁塗装について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

次に塗料缶を見かけたときは、ぜひ思い出してください。

その1缶が完成するまでには、たくさんの原料と技術、そして多くの人の仕事が詰まっています。

外壁を美しくするだけではなく、雨や紫外線から大切なお住まいを守る。

それが、外壁塗装に使われる「塗料」なのです。

 

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